○世界 万物を構成する《霊子》の存在が確認された世界。 霊子技術が発展する一方、機械技術も発達しており、双方の技術が融合した文明が世界に溢れている。 総人口は十億ほど。 ○国家、都市 ・倭国 所謂、日本。 極東に位置する島国で、国土も他国に比べて少ないものの、高い霊子技術を誇る。更に世界的に有名な霊術士育成機関・豊葦原市を擁している事から、重要視されている。 古くから各国より霊子技術が持ち込まれ、それを独自に進化させていき、今では世界も認めるほどとなった。 生活水準も高い。首都は聖都高天原。(長野付近に位置する) ・聖都高天原 倭国の首都。 枢密院の中央議会を始めとする主要国家機関が置かれており、倭国の中心といわれている。 街並みも高級官吏らが住まう高級住宅地や、常駐軍の官舎が殆どで、観光的価値は低い。 常駐する聖都防衛軍の練度は非常に高い。全ての兵が高位霊術士で編成され、最高級の装備が配備されている。 ・豊葦原(とよあしはら)学園都市 霊峰・富士の麓に在る、豊葦原学園を中心に霊術士の育成を目的に建設された学園都市。 倭国最大の龍脈を以て守護されたこの地は、倭国最大の霊術士養成機関として世界中から生徒が集まる。 初等部は基本的な霊的技術を身に付け、中等部からはそれぞれの学科に分かれる。 総合霊術科、霊装士科、霊獣士科、霊符士科、霊傀士科、霊療士科、霊具士科、霊喚士科の八つの学科に分けられており、それぞれ専門的な知識と技術を学ぶ事になる。 優秀な者ならば、高等部卒業と同時に資格である階位を得られる者も居る。 学園の地下には広大な迷宮が形成されており、生徒たちの鍛錬場として使用されている。 ・アイヌシモリ(蝦夷) 倭国を構成する島のひとつで、北に位置する。アイヌ語で「人間の住む地」という意味を持つ。 倭国から独立自治権を得ており、基本的にこの地に干渉することはない。 アイヌ族と呼ばれる民族が暮らしており、倭国とはまた違った文化を育んでいる。 ・崑崙共和国 霊峰・崑崙を有する国。 霊符士発祥の地として、霊符士にとっては聖域として崇められている。 隣国である倭国とは古来より交流が盛んではあるが、それに比例して侵略戦争を行ってきた関係でもある為、一部では反倭(反日)感情も高まっている。 ・エリュシオン連邦 過去の大戦の最中、南欧に多数存在した国家が纏まって出来た国。 霊装士、霊傀士発祥の地とされる地区も含まれる為、多く輩出している。 ・北欧諸国ミドガルド 嘗てアスガルドと呼ばれた、神々の聖地に在る軍事国家。 当初はバラバラだった北欧諸国を《統一王》ハーラル一世が一つに纏めて現在に至る。 ベルセルクと呼称される、高位霊術士で組織した親衛隊が存在する。 現在の国王はハーラル十世。 ・アルビオン帝国 ミドガルドの北に位置する帝政国家。 代々、神聖皇帝と呼ばれる高い霊術素養を持つ皇族が、国政を取り仕切っている。 島国という点では倭国と同様だが、海上戦力が非常に高く、保有する海軍の本国艦隊は世界最強と呼ばれている。 現在の皇帝は初の女帝、アレクサンドラ・ウィンザー。 ・スヴァルガ結界政府 大陸の中南部に位置し、大部分を占める連邦共和国。 八つの都市(聖都)が結界の役割を果たし、魔堕や異霊の侵入から国全体を守護している。 しかし、内部に生じたそれらは結界の外に出ることもできない為、結界の存在に物議を醸し出している。 ○技術、企業 科学技術に於いては現在と同程度。 霊子技術は高く、様々な分野(食糧、エネルギー等々)で応用され、利用されている。 霊鉱を使用した戦闘用の武具を霊術具と呼ぶ。 霊子力と機械、二つの技術が融合したものを霊機と呼ぶ。 世界各国の軍事企業が開発に着手しており、下記の企業が代表的である。 ・九龍霊具社 崑崙共和国に本社を置く、霊術具開発企業。 上質な符の他、高性能な霊術具を多数開発している。 値段も手頃で、霊術士からの評判も良い。 ・ノイエアイゼン社 ミドガルドに本社を置く、霊機具開発企業。 霊銃を始め、数多くの高性能霊機を開発してきた。 近年では「人形師の館」と協力し、自動人形(オートマータ)の開発にも力を注いでいる。 ・正宗刀剣協会 刀剣型霊術具を専門に扱う。 倭国に古来より伝わる刀匠たちの技術により、芸術にも匹敵する武器を造り出す。 ・人形師の館 世界各国から人形師が集まって作られた。 霊傀士が扱う戦闘用人形のほか、芸術作品としての人形も製作するなど、幅広く活動している。 ○霊術士 万物の根源である霊子を使い、様々な現象を起こす者の総称。 霊術士、霊獣士、霊装士、霊符士、霊傀士、霊療士、霊具士、霊喚士が代表される。 現在では単一系統のみを扱う術士は少なく、他の系統を補助的に扱う者が大多数を誇る。 ・霊術士 万物を形成する霊子力を使い、霊術を扱う術士。 霊術士の中でも使用する霊術によって更に分類される。 重力、空間制御系霊術は習って使用できるものではなく、血筋か突然の覚醒によって習得可能となる。 ・霊獣士(れいじゅうし) 自らの霊子力を使い、獣を作り出す術士。霊獣とは、自分自身の魂の形と云われている。 霊獣の姿は術士によって異なり、一体しか形成できない。が、その分精度が高く、霊符士の式神とは比べ物にならない。(例外もあるが) 形成された霊獣はそれぞれ固有能力を持つほか、霊術を扱う事ができる。(扱うことができない霊獣も居る) 術士は自身の霊子力の殆どを霊獣形成に費やしている為、大抵は霊術具や霊機具を使用して戦闘に参加する。 しかし、霊獣と同化する獣人化を用いれば、他の術者と同等以上の戦闘能力を発揮することができる。 ・霊装士(れいそうし) 自らの霊子力を使い、武具(霊子兵装)を作り出す術士。 武具の強度と威力は術士の精度次第ではあるが、霊術防御処理された戦車の装甲すら軽く貫き、砲撃すら無効化することも可能となる。 最も戦闘に向いた術士であるが、高い身体能力が求められる。 現代に於いては霊具士が台頭している為、純粋な霊装士は非常に少ない。 ・霊符士(れいふし) 自らの霊子力を符に宿らせて、様々な事象を起こす術士。 符を使わなくとも術は使用できるが、詠唱の簡略化の為に使用する場合が多い。 身を護る為の護符の他、大規模な陣や儀式を必要とする霊術の簡略化と霊子力の削減で多用されている。 結界や式神など、用途は多岐に渡る。 ・霊傀士(れいかいし) 自らの霊子力を使い、専用の人形を操る術士。人形遣いとも呼ばれる。 元は霊具士が扱う霊術具だった人形を、時が経つに連れてひとつの兵器として確立した結果、この術士が生まれた。 戦闘能力は使用する人形に左右されるが、必要最低限の霊子力で動かすことができる為、残りの霊子力を霊術や霊術具などに回すことが可能。 熟練した者ならば、複数の人形を一度に操る事も出来る。 ・霊療士(れいりょうし) 自らの霊子力を使い、傷を癒す術士。 霊子力を用いての治療は高い精度が求められ、専門的な治療を素人が行うと、下手をすれば悪化させてしまう危険性も孕んでいる。 極めれば失われた身体の修復・再生すら可能となるが、戦闘とは異なる才能も必要な為、非常に数が少ない。 ・霊具士(れいぐし) 霊子力を身体能力強化だけに費やし、霊術具や霊機具で武装した術士。 霊装士に似ているが、彼らは霊子力を常に消費している為に消耗は激しいが、霊具士は上記のようにしか霊子力を使っていない為、燃費が良い。 しかし、霊術具を失うか、破壊されると極端に戦闘能力が低下する傾向にある。(霊傀士にも同様のことが言える) 霊術具と霊機具の発達により、現在では最も数が多い霊術士の一つである。 ・霊喚士(れいかんし) 高次元界より霊的生物を呼び出す術士。 霊符士の式神は該当する生物の姿を模した存在、霊獣士の霊獣は自らの魂の形が獣を姿を採って現れる存在である。 それらとは根本的に異なり、霊喚士が呼び出す存在とは生物そのものを召喚する。 契約が大半だが、中には強制的に束縛して使役する例もある。 異霊を呼び出す者の大半が霊喚士なので、長い間迫害されてきた。 ○武装 通常の鉄や鋼、火薬式の銃火器では魔堕に対抗することは不可能である為、霊鉱と呼ばれる特殊な希少金属で鍛えた武具を使う。 ・霊術具、霊機具 霊的素材を用い、霊的加工を施した武具。銀や霊鉱、聖水で清めた鉄等を使う。 自在に火や水を発生させる武器や、霊的防御を高めた防具が大半だが、中には霊鉱を素材にして機械化された武装も存在する。それは霊機具と呼ばれる。 自らの霊子力を使うことなく効果を発揮できる為、主武装として重宝されている。更には霊術を使用する際の補助的な役割も担う。 しかし、一部の霊術具は過度に使用すると霊子力が失われ、霊術が使えなくなる。 そうなった場合、火の霊術具は火の中へ、水の霊術具は水の中へといった具合に適した場所に置いておけば霊子力が補充される。 霊機具の場合、専用の補充機を使うか直接霊子力を注入する必要がある。 符や人形も、厳密に言えば霊術具である。 ○用語 ・霊術 黒魔術、神道、陰陽道など、古代に存在した各地域の術を統合して誕生した術。 これらは異なる性質を持っているが、根源は霊子を扱うという点にある。故に、統合することができた。 霊術を発動するには霊子を用い、特定の構成陣(霊術を扱う者以外には見えない)を物質界に構築して発動する。特定の文字を記すことでも発動可能とされている。 五行である炎熱、水操、鋼鐵、樹生、地霊系のほか、氷凍、雷電、光学、風塵、重力制御、空間制御系霊術は万象霊術と呼称する。 主に肉体に作用する生体強化系、治療系、生成系、変化系は生体霊術と呼称する。 威力は術者にもよるが、階級が上がるほどに威力が上昇する傾向にある。どの系統にも、第一階位から第六階位まで存在する。 ・龍、竜 この世界に存在する生命体の頂点に立つ者。 西洋では《竜》、東洋では《龍》と呼称される。 幼体でも相当の能力を誇り、星霜を重ねた龍族などは人の手で討つことは不可能とされる。 膨大な知覚領域と霊子数量を持ち、人類では発動にかなりの手間がかかる第六階位の霊術を、容易く扱う。 飛竜と呼ばれる小型の亜種も存在するが、そちらは魔堕に分類されることが多い。 ・魔堕 名の通り、魔に堕ちた者を指す言葉。猛獣などとの違いは、霊子を自在に扱うこと。 魔と名の付く者は総じて邪悪とされ、忌避の対象とされる。人類に害を与える者が殆どである。 妖魔、獣魔、人魔、竜魔など、種族によって呼称が異なる。 ・異霊 悪鬼、マーラー、デビル、ダエーワ、シャイターンなど、様々な呼び名を持つ異次元の支配者。 魔堕との違いは戦闘能力であり、強靭な身体能力、強大な霊術能力を兼ね備えた存在である。 便宜上、六つの階級に分けられており、最高位であるレリウーリア級の異霊はそれこそ次元の違う戦闘能力を有する。(保有する能力によって階級分けされる事もある) 最低位である第六位《ミソパエス》一体でも、霊術士一個小隊ほどの戦闘能力を誇る。 彼らは神話にある魔神や邪神とされている説もある。 ちなみに、彼らは人間と同じように同じ個体が存在しない。 ・神 この世界から去った存在。 伝承に記された建築物などが世界各地で見られるものの、姿を見た者は居ないとされる。 しかし、未だに世界各国ではそれぞれの神を崇める宗教が数多く残っている。 彼らが所有していた武具が発掘されており、それらは強大な力が秘められており、神霊が宿った武具・神霊具と称されている。 ・霊鉱 正確には金属ではなく、霊子が具現化した結晶体を指す。 星の血管とも言える、龍脈(レイラインとも)と呼ばれる霊子の流れ道に形成される場合が多い。 金属以上の硬度を誇り、軽量。その用途は武具の開発だけでなく、建造物などにも使用されている。 結晶体に込められた霊子数量によって価値が決められ、数量が多い高純度霊鉱は金鉱以上の値で取引される。 現在では人の手によって造られた人造霊鉱も存在するが、天然霊鉱よりも強度や純度は劣る。 |